篠笛の音が鳴らない原因は、息の入れ方が悪いからなの?
こんにちは。この記事を書いているのは4月初旬なのですが、ちょうど桜の花がいい感じに満開に近づいています。
「さくらさくら」の曲は、和曲?古典曲?で和風な雰囲気があり、篠笛初心者の方の練習曲としてもよく吹かれているので、ちょうどいい季節ですね。
次回の篠笛教室は、屋外の桜の下でみんなで一緒に「さくら」を練習して演奏する、というのも素敵だなーと考えています。
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天気が良ければ、屋外レッスンぜひやりたいですね。曇りだと、まだ4月初旬は少し肌寒いのでいつも通り室内でレッスンするか、それとも花見レッスンを決行するか、悩み中です。
さて今回は、篠笛教室の生徒さんからもよく質問される「篠笛の音が鳴らない原因と息の入れ方」について、少し掘り下げてみたいと思います。
なぜ、篠笛の音が鳴らない、音が出ないのか?
私が篠笛を吹き始めてからもう10年以上経ちますが、最初は音が鳴らなくてつまづいたクチです。
はじめて篠笛を吹いてみた時の感想は「なんじゃこりゃ!?音が全然出ないやんけ!無理やわ、センスないわー」(コテコテの関西弁ですませんー)という感じでした。
その後いろいろあって、今では篠笛教室の講師をさせていただいているわけで、不思議なものです。
で、かつての私と同じように「篠笛の音が鳴らな、!音が出ない」と壁にぶつかってしまう初心者さんって、ほぼ全員だと思うんです。
篠笛や尺八などの和楽器は「音を出す」という一番最初のステップが、他の楽器に比べて意外と難しい・・・。
ギターやピアノって、誰でもとりあえず音がなるのですが、篠笛や尺八はそうは問屋が卸さない、と。
篠笛を始めてみたくて、いざ笛を手にして吹いてはみたものの「うまく音が鳴らない」「きれいな音が出ない」とほとんどの人がつまづいてしまうんですよね。
では、なぜ、篠笛の音が鳴らない・音が出ないのか。
その前に「篠笛の音が鳴る仕組み」について簡単にポイントを押さえておきましょう。
篠笛の音が鳴る仕組みは?
篠笛の音を出すには「唄口と呼ばれる息を吹きかける孔に、フーッと息を吹く」というのが基本、と言われていますよね。
そんなことは知ってるけど音が鳴らないんだ!という声が聞こえてきそうな気がしますが、あせらずに落ち着いてくださいね。
この「唄口の孔に息を吹く」というのは間違っているわけではないのですが、少し説明が不十分なのだと個人的には思います。
もう少し詳しく表現するなら「唄口の孔の縁に息を吹き当てる」という方がポイントを押さえているかな、と。
穴が空いている→唄口という名前→この穴に息を吹けば
音が鳴るんだ、という思考が働き、ついつい息を孔の中に吹き入れたくなってしまうのが人間の心理ではありますが、それでは孔の中に息が入りすぎても音が鳴らなくなってしまいます。
吹く息が唄口の孔の縁(エッジ)にあたり渦が発生することで音が鳴る、というのが篠笛の音が出る仕組みです。
そこに穴があると入りたくなるのが人間心理ですが、そこはグッと我慢して、唄口の上をフーッと吹いて息を滑らせるイメージの方が音が鳴りやすいと思います。
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子どもの頃に、コーラの瓶やビールの空き瓶の口を吹いて「ボーッ」という音を出したことがある人はコツをつかみやすいと思います。あれと同じ仕組みです。
篠笛教室の生徒さんの場合でも、初心者であればあるほど唄口の中に息を入れすぎてしまう傾向があるようなので、「穴に息を入れる」というイメージが強いみたいですね。
唄口の孔の上を吹いて息を滑らせる、というイメージを持ちながら練習してみてください。
キレイな音が出る「息の入れ方」とは?
篠笛を吹く時の唇の形はとか、口の形は、について諸説あり、人によって様々な教え方があると思いますが、とりあずはそういった細かいことは無視してしまって、音を鳴らす、音を出す、ということだけにエネルギーを注ぐことをおすすめしています。
音が鳴らない、音が出ない、という状態が長く続けば続くほど、「もう無理だー」と篠笛を吹くこと自体を諦めてしまいやすくなります。せっかく吹いてみたいと思ったに、それは本当にもったいない。
ほんの少しのコツを体がつかめば、誰でも音が出せる楽器なのに、最初にちょっとつまづいたから「センスがない」「音が出ない」「私には無理」と諦めてしまう人も少なくありません。篠笛教室の講師として、本当に悲しいことですし、無力感を抱いてしまいます。
より多くの人に、日本古来から伝わる和楽器「篠笛」を楽しんでもらいたい、次の時代につなげていきたい、というのが私の想いです。
で、「キレイな音が出る息の入れ方」のポイントについて。
息の入れ方という表現を使ってはいますが、先ほど書いたように「息を滑らせる」イメージの方がキレイな音が出やすいです。
より正しい表現だと「息をエッジに当てる」となりますが、それだとやはり息が唄口の中に入りすぎてしまう人が多いので、息をまっすぐ滑らせるor走らせる、ように意識してみてください。
また、なんとか音は鳴るようになったけど、キレイな音が出ない、という場合は、息の量や太さが関係しています。
スースーといった雑音(息の音)が多い場合は、唄口の孔の大きさよりも太い息を吹いてしまっているので、細い息を出すように心がけてみてください。
音にならず、唄口の横から漏れてしまっている息が雑音になってしまいます。
唇の形とか、口元の形は、最初はそこまで気にしなくても大丈夫です。音が鳴らせるようになってから、少しずつ整えていく方が効率がいいので、まずは音を鳴らすことをマスターしましょう。
ポイントをまとめると、キレイな音を出すための息の入れ方のは、唄口の縁(エッジ)に息を当てること。
息の太さを唄口の孔の大きさよりも太くならないようにすること、です。
篠笛の音が鳴らない原因は息の入れ方なのか、のまとめ
ということで、今回は「篠笛の音が鳴らない原因は息の入れ方なのか」をテーマに記事を書いてみました。
篠笛初心者にありがちなことなのですが、穴に息を吹き入れてしまう、というケースが本当に多いです。
穴があると入りたくなる、という気持ちはよくわかりますが(そこに山があるから、みたいな感じかな)。
息の入れ方というイメージよりも、息をエッジに当てる・菅の上を走らせるor滑らせる、というイメージで練習してみてくださいね。
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