尺八の音が出ない?音の出し方と音が出る仕組みについて
「尺八を吹いても音が出ない・・・」「音を出すのが難しい」というのは、多くの尺八初心者の方が感じる悩みだと思います。
私も、初めて尺八を吹いてみたときに、「なんだコレ!?音が出ないぞー」と四苦八苦しました。苦笑
今回は、最初に私が尺八の先生に教えてもらったことや、音が出るようになって自分なりに感じたポイントなどを、まとめたいと思います。
スポンサーリンク
「尺八の音が出ない」という方の参考になればうれしいです。
尺八の音の出し方
まず最初は、1音を出すことにチャレンジしてみましょう。
尺八は、指でおさえる孔をふさぐほど、音を出すのが難しくなるので、最初は5つの孔を全部あけたまま、の方が音が出しやすいと思います。
とりあえず、持ち方はどんな持ち方でも構いませんので、息を吹いて音を出してみましょう。
尺八の音の出し方のポイントは、次のようなイメージです。
①下アゴの上半分で穴を少しふさぐ
画像の青い斜線部分を、アゴでふさぐイメージですね。
このとき、口は尺八にはつけないように気をつけて下さい。
②歌口の中心に息を当てる
リラックスした状態で、閉じた唇の真ん中から「プー」という感じで息を吹いて、歌口の中心に当てます。
息を吹く方向は「下」ではなく「前方」を意識して、息を吹いてみてください。
歌口に息が当たらないと音が出ないのですが、手前や近くを意識しすぎるのは、あまりよくないです。
吹く息を、前方の遠くの方へ届けるようなイメージで吹いてみてください。
いかがですか?
音は出ましたか?
正直なところ、人によって、あごの形、唇の形、感覚やイメージの違いもあって、こうすれば絶対に正解!と言い切れないのが難しいところですが。。。汗
尺八の音が出る仕組み、リコーダーとの違いは?
実は、尺八もリコーダーも、音が出る仕組みは同じです。
ただ、尺八とリコーダーには大きな違いがあって、それは「息の吹き込み口」の形です。
リコーダーは、パクッと口でくわえて息を吹き込む「アダプター」のようなものが付いているので、誰が吹いても「息の出る方向」「息の細さ」が一定になるのが特徴です。
それに対して、尺八の場合は「息の吹き込み口」がなく、穴が空いている管をアゴにあてて、歌口に対して息を吹く角度を自分で調整する必要があります。
スポンサーリンク
リコーダーの場合は、自動的に息が良い感じに菅のエッジ部分に当たって音が出る仕組みになっていますが、尺八の場合は、自分で息を当てる場所を探さなければいけないのです。
こうした点が、初心者の方に「尺八を吹いても音が出ない」と言われてしまう大きな理由ですね。
また、尺八の音が出る仕組みには、歌口に当てる息の角度だけでなく、息の速さや勢い、密度、面積などの点も関係しています。
それゆれ、尺八は最初に音を出すのが難しい、と言われてしまうわけですが。。。
逆に、音の出ることにいろいろな要因が関係していることで、様々な音色を生み出すことができる、というのも、尺八の大きな魅力になっていますね。
尺八の音が出ない人向けの「アダプター」もおすすめ
尺八初心者の方が持つ一番の悩みは「音が出ない」ことだと思います。
がんばって息を吹いても吹いても「シュー」など、息がかすれた音だけで、きれいな音が鳴らないと、疲れてしまって、尺八の練習をする気もなくなってしまいます。
尺八や篠笛の和楽器は、「音を出す」という一番最初のステップが、他の楽器に比べて難しいんですよね。
例えば、リコーダーはくわえて吹けば音が出るし、ピアノも鍵盤を押せば音が鳴りますよね。ギターだって弦を指でピンと弾けば音が鳴るし、ドラムや太鼓は叩けば音が鳴ります。
和楽器でも、西洋楽器でも、ほとんどの楽器は、初心者であっても誰でも音が出せる場合が多いです。
ですが、尺八や篠笛は、その一番最初の「音を出す」という段階で多くの人がつまづいてしまう、というクセのある和楽器なんです。
そこで、リコーダーみたいに、尺八も「誰でも吹けば音が鳴る」ようにするための「アダプター」があるんです。
このアダプターを尺八の歌口にキュッとはめれば、リコーダーと同じ原理で音が出るようになるそうです。
ずっとこのアダプターをつけて尺八を吹くわけにはいかないと思いますが、「音が出る」喜びを感じるにはちょうどいいのかなー、と思います。
さいごに
私の実体験からも、「尺八は最初に音を出す」というステップで壁にぶつかりやすい楽器だと思います。
ただ、それと同時に、音が出せるようになり、尺八を吹けるようになってくると、様々な音色があり、とても奥深く魅力的な和楽器だなー、とも感じます。
以前は、尺八などの和楽器の世界は敷居が高いイメージでしたが、最近ではインターネットの普及の影響もあって、youtubeなどで尺八の演奏動画が簡単に観れたり、尺八教室を開催しているカルチャーセンターも増えてきたりと、昔に比べると尺八を身近に感じれるようになってきていると思います。
素晴らしい和楽器である「尺八」の魅力を、日本国内も、海外の国にも、たくさんの人に拡がればいいなー、と願ってます。
スポンサーリンク