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境界性パーソナリティ障害の診断基準について|DSM-5

境界性パーソナリティ障害は、他の精神疾患との併合、合併する割合が高い病気です。

合併しやすい病気には、PTSD、依存症、摂食障害(拒食症・過食症)、うつ病、パニック障害、他のパーソナリティ障害など様々あります。

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そういうこともあって、境界性パーソナリティ障害は時間をかけて慎重に診断することが必要です。

境界性パーソナリティ障害の診断は慎重に

海外の調査によると合併率は90%以上ともいわれているほど、境界性パーソナリティ障害は合併、併合の多い病気です。

そのため、境界性パーソナリティ障害の診断は数回の診察や面接を行いながら、慎重に診断していきます。

境界性パーソナリティ障害の診断材料について

境界性パーソナリティ障害の診断材料には次のようなものがあります。

①患者本人からの話
医師との面接で、今までの本人の行動や感情などを聞き出す。

②親や家族など身近な人からの話
本人だけでなく、親や家族など身近な人から見た本人の様子を聞く。

③医師との診察
本人と医師との直接の面接や会話の中で、考え方や感じ方、思考、感情の特徴的なパターンを知る。

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境界性パーソナリティ障害の診断基準|DSM-5

世界的にみると境界性パーソナリティ障害の診断基準は、ICD-10とDSM5の2つがあり、日本で使われている診断基準はDSM-5(アメリカ精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル」)です。

境界性パーソナリティ障害の診断基準 (DSM – 5)

対人関係、自己像、感情などの不安定および著しい衝動性の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになります。次のうち5つ(またはそれ以上)によって示されます。

1 現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力。

2理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式。

3 同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像や自己観。

4 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食いなど)。

5 自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し。

6 顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は 2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)。

7 慢性的な空虚感。

8 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかを繰り返す)。

9 一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状。

◆この記事は、日本の医学者、精神科医。帝京大学医学部教授の林直樹先生執筆・監修「よくわかる境界性パーソナリティ障害(主婦の友社)」の内容を元に、心理カウンセラーが記事編集をしています。

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