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境界性パーソナリティ障害は何科を受診すればいい?保険適用は?

ここ数年、日本国内における境界性パーソナリティ障害の患者数が増加しているといわれています。

境界性パーソナリティ障害の治療を精力的に行っている医療機関/病院が少なくないわけではありませんが、十分に足りているとは言えず、あせらずに受診先を探すことが大切です。

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境界性パーソナリティ障害の受診は何科?

境界性パーソナリティ障害で医療機関/病院を受診しようとしたとき、何科を受診すればよいのでしょうか。

境界性パーソナリティ障害の治療は、精神科・精神神経科・メンタルヘルス科を受診するようにしましょう。

名称が似ているのですが、神経科・脳神経内科ではありません。

神経科は、神経に関連する身体的な病気を治療する診療科で、主にパーキンソン病やてんかんなどの診察がおこなわれ、脳神経内科はその名の通り脳神経が原因となる病気を治療する科になります。

心療内科は、心が原因となって様々な症状が体に出る病気(心気症)を治療する診療科になり、基本的には境界性パーソナリティ障害の診療科ではありませんが、精神科・精神神経科と聞くと受診をためらいがちな患者さんのために、受診しやすいように「心療内科」としている医療機関もあります。

病院?それともクリニック?境界性パーソナリティ障害の治療

境界性パーソナリティ障害の治療は、病院を受診する方がいいのか、それともクリニックがいいのでしょうか。

これについては、どちらがいい、とは一概に言い切れません。

病院とは、入院ベッドが20床以上ある施設になり、クリニック(個人医院)の中にも入院が可能な施設もあります。

一般的にみれば、病院は通院・入院・手術が可能な医療機関で、クリニックは外来通院が基本と考えるとよいでしょう。

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何よりも、境界性パーソナリティ障害の治療に対して、積極的に取り組んでくれる医師・看護師がいることが重要な条件です。

保険適用は?境界性パーソナリティ障害の治療

境界性パーソナリティ障害の治療は保険適用なのでしょうか?という質問もよく耳にします。

病院やクリニックでの医師の診察、面談、精神療法、服薬は、すべて保険適用の範囲内になります。

ただし、心理療法のうち、認知療法と認知行動療法については、うつ病の治療の場合だけ保険適用となります。

病気の発見が遅れやすい境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の治療は、病院やクリニックにかかる必要があります。

ですが、実際的には境界性パーソナリティ障害の患者本人が自ら精神科を受診するというケースはほとんどなく、病気の発見が遅れやすいのも特徴といえます。

自傷行為(リストカット)や薬物乱用などの危険行動をおこした結果、救急入院したり、家族など周りの人のすすめで受診することが多いのが現状です。

また、本人が「うつ病かもしれない」と思って病院を受診した結果、境界性パーソナリティ障害と診断される例もみられます。

医療機関の探し方

境界性パーソナリティ障害は、薬を飲めば治る病気ではなく、精神療法を中心に治療をすすめていきます。

症状の改善、病気の回復には時間がかかる病気なので、じっくりと治療に取り組んでくれる病院、医師と出会うことが理想です。

ですが、現在の日本国内では、境界性パーソナリティ障害の治療にあたる精神科医の数は不足がちです。

医療機関のホームページをチェックしたり、直接電話で問い合わせるなどして、パーソナリティ障害の治療を意欲的に行っている医療機関を探してみましょう。

地域の保健センターや大学病院、地域の総合病院に問い合わせてみるのもよい方法です。

できるだけ情報を集めて、境界性パーソナリティ障害の治療に積極的な病院を受診するようにしましょう。

◆この記事は、日本の医学者、精神科医。帝京大学医学部教授の林直樹先生執筆・監修「よくわかる境界性パーソナリティ障害(主婦の友社)」の内容を元に、心理カウンセラーが記事編集をしています。

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