境界性パーソナリティ障害の治し方は?治療方法の種類について

近年になって、年々、境界性パーソナリティ障害の患者数が増加しているといわれていて、決して珍しい病気ではなくなってきています。

そこで今回は、境界性パーソナリティ障害の治し方、治療方法の種類についてまとめてみたいと思います。

境界性パーソナリティ障害の治し方は?治療方法

境界性パーソナリティ障害は、生まれつきの生物学的な要因と、養育環境などの要因が重なりあうことが発症原因と考えられています。

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そこで、境界性パーソナリティ障害の治療方法は、心理面ち社会面の両方への治療方法が複数雨組み合わせて行うことが一般的な治し方です。

基本的には、医師によるカウンセリング(個人精神療法)と薬物療法を組み合わせて治療をすすめていきます。

境界性パーソナリティ障害の治療方法は次のような種類があります。

・個人精神療法(カウンセリング)
・集団精神療法
・薬物療法
・認知療法
・対人関係療法
・支持的精神療法

境界性パーソナリティ障害はカウンセリング治療が基本的

カウンセリング(精神療法)は、心理的側面と社会的側面の両方にはたらきかけることができる治療方法で、境界性パーソナリティ障害の治療の中心になります。

寂しさや見捨てられ不安、孤独感などの心理的な問題に対して大きな力となる可能性がある治療方法です。

個人精神療法(カウンセリング)は、医師や臨床心理士と患者本人が一対一で週1回や月1回の定期的な面接を行って、問題解決、病気の改善を目指していきます。

面接カウンセリングの頻度には個人があり、病気の状態、症状によって変わるのが一般的です。

境界性パーソナリティ障害のカウンセリング治療(個人精神療法)

境界性パーソナリティ障害の治療方法としておこなわれる代表的なカウンセリング治療は次のようになります。

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【支持的精神療法】
支持的精神療法とは、医師との面接(カウンセリング)を週に1回程度行う基本的な治療法です。病気に対する患者本人の理解、心理教育など総合的で基本的な治療方法になります。治療期間は数年間かけるのが一般的です。

【認知療法】
認知療法とは、治療者と患者とが相談して治療目標を決めて、境界性パーソナリティ障害患者本人の認知がゆがんでいないか、認知(物事の捉え方)を変えていく治療方法です。

【対人関係療法】
対人関係療法とは、その名の通り対人関係の問題を解決するための治療方法です。主に家族関係に注目して、問題となっている行動や感情の改善が治療目的になります。場合によっては、家族と一緒にカウセリングを受けることもあります。

【精神分析的精神療法】
精神分析的精神療法とは、患者本人の心の底にある問題に焦点をあてる治療方法です。週に2回程度の面接カウンセリングを基本として、患者本人が自己洞察を深め、内省を進めていく方法になります。

さまざまな治療方法|境界性パーソナリティ障害

【薬物療法】
生物学的側面からは、薬を使用して境界性パーソナリティ障害の症状の改善を目指します。不安を改善したり、リストカットなどの衝動的な行動を抑制、うつ病など他の合併する心の病気の症状を治すためにも薬物療法が行われます。

【生活習慣の改善や家族への支援サポート】
家族療法によって、家族の人間関係の改善や問題解決を目指す場合もあります。症状が安定して社会復帰を目指すケースでは、集団活動やデイケア、施設での作業訓練や就労訓練をおこないリハビリテーション活動をすることもあります。生活習慣が乱れているケースでは、生活リズムを改善し、悩み事にたいしてアドバイスや指導を行い、病気の回復を目指します。

◆この記事は、日本の医学者、精神科医。帝京大学医学部教授の林直樹先生執筆・監修「よくわかる境界性パーソナリティ障害(主婦の友社)」の内容を元に、心理カウンセラーが記事編集をしています。

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