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なぜ自傷行為リストカットを行うのか?理由と心理、どんなきっかけ?

境界性パーソナリティ障害の主な症状のひとつに、自傷行為/リストカットがあります。

そこで今回は、なぜ自傷行為(リスカ等)をするのか、どんな理由や原因、きっかけは何か、心理状態は、等についてまとめてみたいと思います。

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自傷行為とは?|意味と種類

リストカットなどの自傷行為の医学的な意味は「意図的に自分を害する行為」となっています。

その意味で自傷行為は、あきらかに自殺を目的としている行為や、自分を傷つける意図があるかどうかはっきりしないけど結果として自分自身に害がある行為とは区別されています。

ただ実際には、自傷行為、自殺目的の行為、自傷の意図がない行為の区別は難しく、はっきり分類できず両方の性質をもっている行為も少なくありません。

では、なぜ自傷行為(リストカット等)によって自分の体を傷つけるのでしょうか?そこにはどんな理由や原因、心理状況なのか、もう少しくわしくみてみましょう。

自傷行為リストカットの心理と理由

なぜ、リストカットなどの自傷行為をして自分の体を傷つけるのでしょうか?

実際に、自傷行為をした人たちの経験談からの調査によると、リストカットなど自傷行為をして自分の体から血が出るのを見て「ホッとした」「安心感を感じた」「すっきりした」などの感想の言葉がよくあるようです。

むなしさ、落ち込み、抑うつ、といった心理的ストレスと感じる苦しみが理由となり、自分の体を傷つける自傷行為によってその精神的苦痛から一時的でも逃れることができる、と感じる人も少なくないようです。

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様々な自傷行為の種類について

・リストカット(刃物で皮膚の表面を切る)
・針など尖ったもので皮膚を突き刺す
・頭を物にぶつける
・皮膚をむしる
・タバコなどで皮膚を焼く(根性焼き)
・ピアスや釘などで体に穴をあける
・物に体の一部を強くぶつける など

自傷行為リストカットに至るきっかけや原因は?

人によって自傷行為/リストカットに至るきっかけは色々ありますが、その原因となるきっかけのほとんどは、人間関係のストレスや悩みです。

自傷行為/リストカットをする人の心理には、罪悪感や孤独感、怒りや屈辱、絶望感などマイナス感情があり、精神的苦痛を抱えています。

また、自分が生きている実感を感じない離人感やあせり、むなしさなど空虚感などもみられます。

自傷行為をする人のうち約66%の割合で、「もうどうしようもない」と自分の問題は解決できないという考えを持ち、心が悲壮感で満ちているという調査データもあります。

自傷行為リストカットから自殺に発展するリスクも

自傷行為/リストカットをする人の多くは、死にたいから自傷行為をするのではなく、生きていることの苦痛から苦れたいという想いがあります。

ですので、自傷行為は死ぬための行為ではなく、逆に生きるための行為ととらえることができます。

ただし、自傷行為を繰り返し行っていると、自殺に発展する危険性が高くなることもわかっているので、自傷行為が慢性的になるのを防ぎ、自殺に発展することを未然に防止する対応が必要です。

◆この記事は、日本の医学者、精神科医。帝京大学医学部教授の林直樹先生執筆・監修「よくわかる境界性パーソナリティ障害(主婦の友社)」の内容を元に、心理カウンセラーが記事編集をしています。

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