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[境界性パーソナリティ障害]居場所がない、生きるのが辛い空虚感に悩む

生きるのが辛いと悩む境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の人は、「生きるのが辛い」「生きにくい」「生きている意味がない」といった虚しさを心の中に感じている場合が多いようです。

ほかにも「自分は価値がない存在」という感覚をいつも感じている人もいます。

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特に、激しい怒りの感情がおさまった後や、人間関係のトラブルの後に、そのような空虚感や虚無感などのむなしい気持ちに悩まされます。

気持ちが落ち込んで抑うつ感に苦しむ

まるで自分が存在していないかのような虚無感がつらくて苦しいため、激しい怒りの感情を相手にぶつけたり、暴力や乱暴行為をすることも境界性パーソナリティ障害の主な症状です。

また、気持ちがふさぎ込んで激しく落ち込み、何もやる気がおきないといった抑うつ感に苦しむことも少なくありません。

対人関係のトラブルが多く不安定

境界性パーソナリティ障害の人が感じている「確かな自分がなく、自分で自分がわからない」という感覚は、対人関係のトラブルをおこしがちです。

慢性的に感じているむなしさやつらさを埋めるために、他人と親しくなることを過剰に求めて、しがみついたり、すがりついたりする傾向があります。

そして、自分の思い通りにいかないと感じると、その反動から急に激しく怒り出したり、抑うつ感が湧き上がってきます。

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そのため、境界性パーソナリティ障害の人は対人関係トラブルが多くなりやすく、不安定な人間関係になりがちです。

自分の居場所がないと感じる

境界性パーソナリティ障害の人の中には「自分の居場所がない」「やすらげる場所がない」と嘆いている人もいます。

「生きるのが辛い」という感覚は、うつ病の症状にもみられ、境界性パーソナリティ障害とうつ病を併発(合併)するケースもあるため、正確な診断が必要です。

境界性パーソナリティ障害の症例「生きるのが辛い」

境界性パーソナリティ障害、20代の女子大生Aさんのケース。

Aさんは小学生のときに母親を病気でなくし、それから「生きるのが辛い」「生きていてもむなしい」と感じるようになりました。その無気力状態のせいで学校にも行かず、部屋に引きこもり、不登校になった時期もありました。

むなしさやつらい気持ちを晴らすために、Aさんは自傷行為(リストカットなど)を繰り返すようになり、ときには家の中で暴れ出して物を壊すこともあったり、アルコールにも手を出して依存症気味になることも。

その後、大学に入学してからAさんは、母親を亡くして悲しんでいた自分を気にかけてくれなかった、と父親を急に責めるようになりました。

Aさんの自傷行為(リストカット)はどんどん重症化していき、腕の上の方まで傷跡でいっぱいになりました。その後、友人のすすめもあって精神科を受診した際には、「生きているのがつらい」とAさんは医師に訴えました。

◆この記事は、日本の医学者、精神科医。帝京大学医学部教授の林直樹先生執筆・監修「よくわかる境界性パーソナリティ障害(主婦の友社)」の内容を元に、心理カウンセラーが記事編集をしています。

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