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人間関係のトラブルが多い!境界性パーソナリティ障害の症状

境界性パーソナリティ障害の症状のひとつに、人間関係のトラブルが多いことがあげれます。

その原因として考えられるのは、白黒思考といわれる極端な思考や考え方です。

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また、不安定な感情や衝動的で激しい行動の影響もあって、対人関係も不安定になりがちです。

人間関係のトラブルが多い境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害(ボーダーライン症候群)の人は、人間関係のトラブルが多くなりやすく、対人関係が不安定な傾向がみられます。

相手と適度な距離感をもって接することができず、人付き合いが苦手なことも境界性パーソナリティ障害の症状or特徴のひとつと言えます。

人に対して思い込みや偏見が強く、「私と同じ」「自分の理想通り」と思い込みますが、ひとたび違うと感じると、裏切られたと感じてしまい、態度が急変してしまいます。

対人関係の不安定さは、見捨てられ不安が原因

境界性パーソナリティ障害の人の不安定な人間関係は、心の深い部分に「見捨てられることへの不安」があることが原因のひとつになります。

相手から裏切られたり、見捨てられることに対して過剰に反応してしまい、孤独になることが不安でたまらないので、相手にしがみついたり、逆に激しく怒ってしまうのです。

境界性パーソナリティ障害の人の見捨てられ不安の裏側には、自信のなさが関係しています。

幼児の頃は誰でも母親と一体感を持っていて、成長するにつれて親離れするようになり、反抗期を経て自分なりの価値観をもって人付き合いができるようになるのが普通ですが、境界性パーソナリティ障害の人は、この成長家庭がうまくいっていない人がいるといわれています。

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家族や友人に対して強い愛着を抱き、必死に相手にしがみつくような行動を見せる場合もあり、また、特定の人を自分の味方にしようとして人間関係のトラブルを起こしてしまうケースもみられます。

人と近づいたり離れたりを繰り返してしまう

心の中では、相手を求める気持ちと、近づきすぎることへの不安とが入り混じり、不安定な人間関係を生み出してしまいます。

見捨てられる恐れや不安から相手を強く求めて親しくなろうとするのですが、今度は逆に激しい攻撃性や怒りが相手を傷つけ自分をも破滅させてしまうのでは、と不安を感じて相手と距離をとるような矛盾した姿勢もみられます。

境界性パーソナリティ障害の人の特徴的な行動としては、見捨てられる不安から激しい行動に出ることです。

例えば、恋人や友達に何十回も電話やメールをしたり、夜中に急に家に押しかけたり、と強引な行動に出るケースも少なくないようです。

境界性パーソナリティ障害の症例

20代の女性Aさんは、高校時代から母親に対する暴力としがみつきがありました。

担当の医師の助言から病院のデイケアに参加するようになり、他の参加者と個人的に親しく接するようになって連絡先を交換して長電話をしたり、一緒に外出する約束をするようになりました。

Aさんは、相手が長電話や呼び出しを迷惑に思っていることに気がつきません。その後、参加者から病院のスタッフにAさんへの苦情が寄せられることになりました。そこでスタッフから調整が入ったのですが、Aさんは「病院が私をデイケアから追い出そうとしている!」と怒り出し、母親と一緒に病院に抗議することになります。

病院スタッフとAさんとの話し合いは何度か行われ、最終的にAさんと母親は「デイケア参加は、穏やかで節度ある人間関係をつくるための練習や訓練」であることを了解しました。

◆この記事は、日本の医学者、精神科医。帝京大学医学部教授の林直樹先生執筆・監修「よくわかる境界性パーソナリティ障害(主婦の友社)」の内容を元に、心理カウンセラーが記事編集をしています。

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