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摂食障害(拒食/過食)との合併症も多い、境界性パーソナリティ障害

拒食や過食の摂食障害も合併症が多い病気のひとつです。

摂食障害の患者割合は男性よりも女性が多く、境界性パーソナリティ障害との併発というケースも多くみられます。

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過食や拒食も境界性パーソナリティ障害の特徴にみられる自己破壊的行動のひとつと考えられます。

摂食障害との合併症も多い|境界性パーソナリティ障害

摂食障害は女性の患者数が多い心の病気です。

摂食障害には2つのタイプに分けられ、拒食症(神経性無食欲症)と過食症(神経性大食症)があります。

拒食症も過食症どちらのタイプの摂食障害においても、食べた後に口に指を入れて吐いたり、下剤を使用したりなどの行動がみられます。

境界性パーソナリティ障害との合併症で多いのは、衝動的に無茶食いをしてしまい、その後に吐いたりするタイプです。

拒食症(神経性無食欲症)の特徴と症状|摂食障害

・正常体重の85%以下までやせている
・やせているのにもかかわらず、まだ体重が増えることや太ることに対して恐怖感がある
・自分の体型や体重に対する感じ方の障害
・やせていること、低体重であることを自分で問題だと思っていない
・体重や体型によって自己評価が過剰に変化する
・女性の場合、無月経になる(生理が止まる)

過食症(神経性大食症)の特徴と症状|摂食障害

・普通の人が食事をする時間帯以外の時間に、あきらかに一般的な量よりも大量に食べる
・食べるのをやめることができない
・体重が増加するのを防ぐために、食べたあとに自分で吐いたり、下剤を使用したり、絶食したり、過度に運動したりする

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他の病気との合併症が多い境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害と摂食障害を合併(併発)している人の中には、うつ病も合併している割合が高いという報告があります。

また、自傷行為(リストカット)や自殺企図、アルコール依存や薬物乱用などの割合も高いのです。

そうした問題行動を起こす心理には「生きていても仕方がない」といったむなしさや、自己否定の感情が関係しています。

対人関係にストレスも加わり、衝動的に様々な問題行動を起こしてしまうのです。

境界性パーソナリティ障害の自己破壊的行動の例

・摂食障害(無茶食いして吐く行動を繰り返す)
・アルコール依存
・薬物乱用
・オーバードーズ(薬の大量服用)
・無謀運転、危険運転をする
・自分の体を傷つける(自傷行為/リストカット)
・買い物依存
・不特定の異性とつきあう
・性依存 など

過食とアルコール依存、リストカットの合併症のケース

境界性パーソナリティ障害の20代の女性Aさん。

Aさんは20歳頃から抑うつ気分が続き、メンタルクリニックに通院していたのですが、恋愛関係のもつれをきっかけに無茶食いするようになってしまいました。

その後、実家を出て一人暮らしを始めると、無茶食い(過食)だけなく、大量にお酒を飲んだり、オーバードーズ(過量服薬)、リストカット(自傷行為)などの問題行動を繰り返すようになりました。

Aさんは入院うすることになり、境界性パーソナリティ障害とうつ病と診断され治療を受けることに。無茶食い(過食)とリストカット(自傷行為)の症状はおさまりましたが、アルコール依存症になっていました。

医師の勧めもあってAさんはアルコール依存症の自助グループに入ることを決めました。

◆この記事は、日本の医学者、精神科医。帝京大学医学部教授の林直樹先生執筆・監修「よくわかる境界性パーソナリティ障害(主婦の友社)」の内容を元に、心理カウンセラーが記事編集をしています。

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