うつ病と境界性パーソナリティ障害の併発/合併症が多い、パニック障害やPTSDも
境界性パーソナリティ障害の人が人生でうつ病になる割合は90%程度というデータがあります。
境界性パーソナリティ障害とうつ病の合併症はかなり多く、互いに深く関連している病気です。
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うつ病との合併症が多い、境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害とうつ病の合併症は非常に多くみられます。
むなしさ、空虚感などの感情を持つことが多い境界性パーソナリティ障害の人は、うつ病の症状と共通点も多く、対人関係トラブルが多いこともゆうつうな気分を高めてしまいます。
なかでも自傷行為(リストカット)や自殺企図の経験がある人は、ほとんどの人がうつ状態だったということがわかっています。
境界性パーソナリティ障害の状態が回復すると、うつ病も改善していくことが多く、また、うつ病を治療することで衝動性がおさまるケースもあります。
自傷行為や自殺企図しやすくなる合併症
うつ病と境界性パーソナリティ障害を併発すると、自傷行為や自殺企図などの自己破壊的な行動をおこす危険性が高くなります。
不安や怒りなど情緒不安定さ、自己非難や自責の念、不安や絶望感など、境界性パーソナリティ障害とうつ病の症状が入り混じって、死にたい気持ちが高まってしまうので注意が必要です。
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境界性パーソナリティ障害の治療が進むとうつ病の状態も回復する傾向があり、その逆の例もまたみられます。
身体症状にもあらわれるうつ病の兆候
うつ病の症状は心の症状だけではなく、身体の症状としてもあらわれることがあります。
【うつ病の心の症状】
・気分
(落ち込む、ゆううつ、不安、あせり)
・意欲
(やる気が出ない、興味がわかない、感情がなくなる、活動性が低下する)
・思考
(マイナス思考、悲観的、自責傾向、集中できない、判断力や注意力の低下)
【うつ病の身体の症状】
・睡眠障害
(寝付きが悪い、よく眠れない、朝早くに目が覚める)
・食欲低下
(美味しいと感じない、お腹がすかない)
・自律神経症状
(頭痛、肩こり、頭が重い、めまい、しびれ、動機、発汗、便秘など)
境界性パーソナリティ障害の合併症の割合
境界性パーソナリティ障害は他の精神疾患との合併症が多い病気で、アメリカにおける2009年の調査では次のようになっています。
【依存症】60%
・アルコール依存症 42%
・アルコール以外の依存症 18%
【気分障害】75%
・うつ病 32%
・躁うつ病(双極性障害)32%
【不安障害】74%
・パニック障害 30%
・PTSD(心的外傷後ストレス障害) 39%
【他のパーソナリティ障害】
・自己愛性パーソナリティ障害 39%
・強迫性パーソナリティ障害 23%
・妄想性パーソナリティ障害 21%
・反社会性パーソナリティ障害 14%
◆この記事は、日本の医学者、精神科医。帝京大学医学部教授の林直樹先生執筆・監修「よくわかる境界性パーソナリティ障害(主婦の友社)」の内容を元に、心理カウンセラーが記事編集をしています。
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