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境界性人格障害は治らない病気?よくある誤解について

境界性人格障害は数ある精神疾患の中でも誤解が多いものといえます。

誤解が多い現状となっている理由にはいくつか考えられますが、ひとつは症状にいろいろな種類があること、これまでに専門家の間でも様々な議論が行われてきたことなどが関係していると思われます。

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今回は、境界性人格障害についての多い誤解についてまとめてみたいと思います。

境界性人格障害は治らない病気?

境界性人格障害はひと昔前の呼び方で、今では境界性パーソナリティ障害と言われています。

呼び方が変わった経緯には「人格障害」という言葉があまり良い印象を与えないことが最大の理由です。

人格障害と聞くと、人格や性格の障害、つまり人格が悪いことという誤解をもたれやすいからです。

そういった歴史的な影響もあり、境界性人格障害/境界性パーソナリティ障害は治らない病気と思われていますが、これは大きな誤解です。

境界性人格障害はきちんとした治療をすることで回復する可能性が高い精神疾患です。

境界性人格障害に効く薬や治療法はない?

境界性人格障害の患者さんが診療所やクリニックにいったときに「治療が難しい」と言われた、というケースもあるみたいです。

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書籍やインターネットなどでも「境界性人格障害に効果のある薬はない」とか「治療方法はない」と書いてあるものもあるようですが、これも多い誤解のひとつです。

境界性人格障害のさまざまな症状に効果のある治療薬もありますし、通院して治療を受けることで回復している患者さんも多くいます。

境界性人格障害だと自立できない?将来は真っ暗?

境界性人格障害の代表的な症状は、自傷行為や激しい感情の移り変わり、衝動的な行動や不安定な感情で、まわりの人は振り回されてしまうことがよくあります。

そのため、頭がおかしいとか、気が狂っているといったように変人扱いされてしまうことも少なくありません。

境界性人格障害は治らない、頭がおかしい、といった誤解のせいで、将来も真っ暗で悪い人生しか望めないように思われていますが、これも大きな誤解といえます。

きちんとした治療を継続して受けることで、境界性人格障害の患者さんの多くは回復が見込まれますし、状態が改善すれば明るい将来が待っていることでしょう。

現代病として増加している境界性人格障害の患者数

現在の日本において、境界性人格障害/境界性パーソナリティ障害の患者数は増加傾向にあると考えられています。

境界性人格障害の患者数の増加は、自殺未遂や自殺者数の増加とも密接な関係があるといえます。

境界性人格障害について間違った誤解をただし、正確な情報を知り、病院で地道な治療を受けることが大切です。

◆この記事は、日本の医学者、精神科医。帝京大学医学部教授の林直樹先生執筆・監修「よくわかる境界性パーソナリティ障害(主婦の友社)」の内容を元に、心理カウンセラーが記事編集をしています。

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